韓国映画を配信したとして北朝鮮の少年2人が公開処刑

中国との国境に位置する北朝鮮のヘサン(恵山)市で、10月に10代の若者2人が公開処刑されていたことが明らかになった。

 2人は、韓国映画やドラマを視聴し、それを配信したことで捕らえられたようだ。

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 韓国や米国などの「敵対国」からの文化財の消費や輸入を禁止している北朝鮮では、若者が退廃的で反革命的と見なされている海外の文化に影響を受けることを懸念している。

 最近では取り締まりを更に強化することが国民に通達されていたという。

韓国映画を配信した若者2人が処刑される

 『自由アジア放送(RFA)』が伝えた内容によると、去年10月に北朝鮮のヘサン(恵山)市で、16歳もしくは17歳の若者2人が、韓国映画を視聴しそれを配信したとして、公開処刑されたことが内部情報にて判明した。

 ヘサンの情報筋では、10代の若者たちが韓国映画を見て捕まった場合は、労働鍛錬隊の処罰を受け、懲戒労働センターに送られる。

 再逮捕されれば、保護者とともに矯正労働収容所に送られ、保護者は子どもを不適切に教育した責任を負わなければならないそうだ。

 デイリーNKは、7日に恵山市小中学校の中学校で、14歳の生徒が韓国映画『アジョシ』を観ていて逮捕されたことを伝えている。

 それによると、生徒らは映画を見てから5 分以内に逮捕され、14 年間の重労働を宣告されたということだ。

 同メディアが入手した法的資料では、「韓国の映画、ドラマ、動画、編集物、本、歌、絵画、写真を5年以上15年未満直接見たり、聞いたり、保管したりした」者に対する処罰 は、「矯正労働」に設定されているという。

 韓国や米国などの「敵対国」からの文化財の消費や輸入を禁止している北朝鮮では、衝撃的な処罰はそれほど珍しいことではない。

 特に、韓国映画の配給や販売で逮捕されれば、たとえ未成年であっても死刑に処せられる可能性がある。

処刑された2人はUSBメモリ販売前に摘発された

10月に処刑された 2 人の若者は、地元の市場で禁制品のメディアを含むUSBメモリを販売しようとして摘発されたようだ。

 当局は、この事件の1週間ほど前、公開会議で決まった「韓国メディアが関与する犯罪を厳格化する」という方針を国民に告げている。

 ただこの件では、一般市民にスパイを仕掛け、売り手が警察に通報したことで発覚したことから、「当局は若者たちを罠にはめた」という声があがっていると内部情報筋は述べている。

 2人の若者は、公衆の面前に引き出されて死刑を宣告され、軍用飛行場に連れて行かれるとすぐに射殺された。

 ヘサンの住人たちは飛行場の滑走路に集まり、その瞬間を目撃していたそうだ。

 また、別の10代の若者も、継母を殺害した罪で公開処刑された。

 両方の公開処刑を目撃した複数の者によると、当局は村の人々に「2つの犯罪は同等に悪い」と忠告していたという。

 近年、北朝鮮全土では、密輸業者が中国から持ち込んだ韓国映画や西洋映画、音楽番組、テレビ番組を、USBメモリやSDカードをコピーし、それを販売する者が増えているという。

 北朝鮮は、退廃的で反革命的と見なされている韓国の文化が、若者に影響を与えることをますます懸念しているということだ。

追記:(2022/12/08)本文を一部訂正して再送します。

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